前回の記事では、合成生物学技術を活用した研究開発と事業を推進するベンチャー企業(以下、合成生物学ベンチャーという)の雄であるSynthetic Genomics, Inc. (Synthetic Genomics) の取り組みを紹介した。Synthetic Genomicsに続いて、米国を中心に合成生物学ベンチャーが多数設立され、研究開発を推進しているが、最近、サンプル処理や分注を自動化して大規模に有用微生物を育種する合成生物学ベンチャーの活動が活発になっている。今回の記事では、特に注目を集めている合成生物学ベンチャーであるGinkgo BioWorks, Inc.とZymergen, Inc.の活動内容を紹介したい。
2010年からジナリスGOクラブで主に「次世代シーケンサー」に関する記事を提供してきました。その後、次世代シーケンシング技術も一般に普及する段階に入ったことから、2015年から後継シリーズとして 「バイオデジタル革命の夜明け」の記事を提供しています。
2016年7月29日金曜日
合成生物学ベンチャー(1):Synthetic Genomicsが先導するブレイクスルー
前回のGOクラブでは、Oxford Nanopore Technologies の最新の動向をもとに、次世代シーケンシング技術を中心とするオミックス技術の発展に加えて、大規模かつ安価な遺伝子・DNAの合成が可能になり、合成生物学をベースとするビジネスが急成長することを紹介した。今回のGOクラブでは、合成生物学領域の技術(以下、合成生物学技術と略す)を活用した事業推進を先導してきたベンチャー企業であるSynthetic Genomics, Inc. (Synthetic Genomics) の取り組みを紹介する。
2016年6月24日金曜日
合成生物学をベースとするビジネスの新しい潮流:合成生物学とは
前回のGOクラブで紹介したように、Oxford Nanoporeは、DNA合成の新技術を開発し、小型ポータブルデバイスを用いて簡易にDNAを合成できるようになることを発表した。次世代シーケンサーの活用に加えて、DNAが簡単に合成できると、合成生物学分野の研究とビジネスの加速が起こるであろう。米国では最近合成生物学ベンチャーの活動が活発化しているが、GOクラブはこの新しい潮流についてシリーズ記事として紹介することとし、今回は「合成生物学の概要」について説明したい。
2016年6月9日木曜日
「いつでもどこでもシーケンシング」をOxford Nanoporeが実現
今年の5月26日と27日の2日間に渡って、Oxford Nanopore Technologies (Oxford Nanopore)が同社のナノポアシーケンサーに関する製品や技術に関して研究者やユーザーと交流を行うLondon Callingコンフェレンス2016を開催した。今回のGOクラブでは本コンフェレンスでの発表の情報をもとにOxford Nanoporeの新製品と新技術を紹介する。
2016年5月25日水曜日
マイクロバイオーム・ビジネス(3):日本のベンチャーの動向
前々回と前回の2回に渡り、マイクロバイオーム(微生物叢)ビジネスに関わる欧米のベンチャーの動向をまとめて紹介した。今回のGOクラブでは、マイクロバイオーム・ビジネスのシリーズの最終回として、日本のベンチャーの動向を紹介する。また、欧米と日本のビジネスとの違いについても考えてみたい。
2016年5月11日水曜日
マイクロバイオーム・ビジネス(2):腸内微生物叢に着目した疾病治療以外の応用を目指すベンチャー
マイクロバイオーム(微生物叢)ビジネスに関わる世界と日本の動向を3回に渡るシリーズ記事として紹介することを企画し、前回のGOクラブでは腸内微生物叢に着目した疾病治療を目指す欧米のベンチャー企業を紹介した。今回のGOクラブでは、疾病診断、皮膚の微生物叢に着目した化粧品や治療薬の開発、植物領域のマイクロバイオームに着目した農業分野への応用といった分野でビジネス展開を図っている欧米のベンチャー企業を紹介したい。
2016年4月22日金曜日
マイクロバイオーム・ビジネス(1):腸内微生物叢に着目した疾病治療を目指すベンチャー
最近、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が主導するマイクロバイオーム(微生物叢)に関する新規研究開発プロジェクトの公募やマイクロバイオーム関連の新しいベンチャーの設立など、日本でマイクロバイオームに関わる話題が急に増えている。世界では多数のマイクロバイオーム関連のベンチャー企業が活動しているが、GOクラブでは、マイクロバイオーム関連ビジネスに関わる世界と日本の動向を3回に渡るシリーズ記事として紹介したい。
2016年4月7日木曜日
Oxford Nanoporeシーケンサーの性能が大きく進歩!
Oxford Nanopore Technologies Ltd. (Oxford Nanopore) は、USBメモリー程度の大きさのポータブル・ナノポアシーケンサーであるMinION以外に、大規模配列決定を可能にするPromethIONの出荷の発表などで、大きな注目を浴びている。Oxford NanoporeのCTOであるClive Brown氏は、Google Hangoutを利用してOxford Nanoporeのシーケンサーに関する新しい進歩について公表した。今回のGOクラブでは、Google Hangoutを介して公表された情報とOmics! Omics!のブログ記事をもとに、Oxford Nanoporeシーケンサーの性能向上の概要をまとめる。
2016年3月23日水曜日
ロングリード・シーケンシングを可能にする10X Genomicsの新機種"Chromium"の魅力
前回のGOクラブでは、10X Genomicsの新機種"Chromium"が単細胞RNAシーケンシングで優れた性能を持っていることを紹介した。10X Genomicsが昨年発売した従来機GemCodeが、Illuminaなどのショートリードシーケンサーのデータからロングリード配列を再現することを可能にすることで注目を集めている。今回のGOクラブでは、この新機種Chromiumが、従来機GemCodeと比較してゲノムDNAシーケシングでも進歩していることを紹介したい。
2016年3月11日金曜日
10X Genomics、単細胞RNAシーケンシングを可能にする新機種Chromiumを発表
10X Genomicsは、昨年のAdvances in Genome Biology and Technology (AGBT) で、ショートリード配列をロングリード配列に変換する技術と機器に関して衝撃的な発表を行った。さらに、今年のJ.P. Morgan Healthcare Conferenceと今年のAGBTで、単細胞(シングルセル)RNAシーケンシングの新技術と新機種Chromiumを発表した。Chromiumは昨年発売した従来機GemCodeと比較してゲノムDNAシーケシングでも大きく進歩している。今回のGOクラブでは、Chromiumに関して「単細胞RNAシーケンシングの話題」を紹介し、次回のGOクラブで「ゲノムDNAシーケシングの話題」を紹介したい。
2016年2月24日水曜日
Illumina、新しい半導体シーケンサーの開発成功を発表!
Illuminaは、今年のJ.P. Morgan Healthcare Conferenceで、Fireflyプロジェクトと名付けた「新しい半導体シーケンサー」を開発し、2017年の後半に発売する予定であることを発表した。さらに、Illuminaは、Advances in Genome Biology and Technology (AGBT) 2016で、この新しい半導体シーケンサーに関してより詳細な情報を発表した。今回のGOクラブでは、Illuminaの新しい半導体シーケンサーの概要と開発経緯を紹介したい。
2016年2月12日金曜日
Samsung、ヘルスケア向け半導体センサーチップBio-Processorを発表
世界的に著名な電子製品・電子部品メーカーであるSamsung Electronics(Samsung)が、ヘルスケア向けの新しい半導体センサーチップ"Bio-Processor"の上市を昨年末に発表した。このSamsungの発表を含め、最近のニュースを見ると、モバイルヘルスでも大きな革新が起こることが感じられる。今回のGOクラブでは、このBio-Processorを中心に、Samsungのモバイルヘルスケア事業の取り組みを紹介したい。
2016年1月22日金曜日
Illuminaが新会社GRAILを設立:血液ベースのがんゲノム診断事業は激烈な競争へ
Illumina, Inc. は年初に新製品を発表することが恒例となっているが、今年は新製品Mini-Seqと新しい半導体シーケンサー技術の実用化に加えて、新会社GRAILの設立を発表した。GRAILは、血液中のセルフリーDNA(cell-free DNA)のシーケンシングに基づく「がん早期診断事業」の開始を目指して活動を推進する。今回のGOクラブでは、GRAILの設立を中心に、血液ベースのがんゲノム診断事業の競合状況についてレポートしたい。
2016年1月8日金曜日
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