GS FLX+ システムの改良点
今回のアップグレードでは、試薬のChemistryが改良され、かつ試薬容量も大きくなった新しいシーケンシングキットXL+を使うことになる。そのほ か、ソフトウェアの改良もなされ、また試薬の容量も大きくなるので、シーケンサー機器の試薬を入れるスペースの改良が施されている。これらの改良により、 Pyrosequencing反応のサイクル数を増すことが可能になり、リード長が従来機の約1.5倍になっている。その結果、リード長が平均700 bp(最大1,000 bp)になったが、従来機と比べて配列決定精度は変わらず、むしろコンセンサス精度では、若干良くなっている。 |
GS FLX+ システムのスペック
アップグレード機種FLX+では、新しいシーケンシングキットXL+に加えて、従来キットのXLR70も使える。両キットの性能比較を下表に示す。なお、小型シーケンサーであるGS Junior システムに関しては、ロング・リード・アップグレードは発表されていない。
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GS FLX+ システムの用途
GS FLX+ システムは、他の次世代シーケンサーに対して、下記の用途に関しては、明らかに優位な点が認められる。 1. 新規ゲノム配列決定 Illuminaシーケンサーでも新規ゲノム配列決定を行えるようになったが、リード長が短いので、繰り返し配列の存在により、コンティグ形成が阻害される。GS FLX+ システムではサンガーシーケンシングに匹敵するリード長を実現しているので、de novo Assemblingでは優れた結果が得られることがすでに証明されている。 2. Transcriptome Sequencing (Transcriptome Profiling) 454 Life Sciencesも本アプリケーションに関して詳しい資料を公開しているが、cDNAのスプライシングバリアントを含めて、cDNAの構造を解析するには優れている。 3. Metagenomic Sequencing メタゲノム解析では多種類の生物のゲノム配列が混在しているので、リード長が長いことは、assemblingも含めて優位な点が多いので、メタゲノム解析では454 FLX+ システムの優位性は変わらない。 4. Amplicon Sequencing (16S rDNAシーケンシングなど) PCR産物のAmplicon Sequencingに関して、454 GS FLXシーケンサーが優位性があることが変わらない。ただし、今回の新キットはAmplicon Sequencing には対応していないので、旧キットを利用する必要があることが留意点である。 |