Oxford Nanoporeは今年(2011年)1月に、シーケンサーのプロトタイプとなる“Oxford Nanopore GridION system”の概要を発表したが、本システムは他社の次世代シーケンサーとは異なる特徴を持っているので、以下にその特徴をまとめる。
(1) シーケンシング反応は、Sensor Array Chip内で行われる。Sensor Array Chipには、マイクロウェルが多数格子状に並んでおり、各マイクロウェルには脂質2重膜に埋め込まれたalpha-hemolysinのポアが存在する。
(2) DNAだけでなく、タンパク質、その他低分子物質やポリマーなど多様な化合物をナノポアで検出できるらしい。
(3) Sensor Array Chipはディスポーザルのカートリッジに格納されており、そのカートリッジはラックマウント型サーバのようなシーケンサーに簡単に挿入でき、検出反応を 行える仕組みになっている。このラックマウント型シーケンサー1台はノード(Node)と呼ぶ。
(4) 1ノードだけでもシーケンシング解析は可能であり、またラックマウント型サーバのように、多数のノードのシーケンサーを並列に動かすことができる。各ノードのシーケンサーをネットワークを通じて連携させて解析することも可能である。
“Oxford Nanopore GridION system”の詳細については、Oxford Nanoporeが公開しているビデオを参照してほしい。 |