“Nano-knife Edge” 法
“Nano-knife Edge”法は、Reveo社が開発している技術である。本技術は、ナノサイズの櫛を直接1本鎖DNAにコンタクトさせた後、電圧をかけ、電子の流れを検知することにより塩基配列を読み取る原理を用いている。このナノサイズの櫛は、櫛の歯がナイフ状になっていることから、Nano knifeと呼んでいる。また櫛の数は、G、A、T、C、それぞれの塩基を検出するための櫛とメチル基検出用の櫛の合計5個である。詳細は、下記のNature Methodsの記事などを参照してほしい。
・ Nathan Blow "DNA sequencing: generation next-next" Nature Methods - 5, 267 - 274 (2008) ・ Reveo社プレゼンテーション・スライド |
“Carbon Nanotubes” 法
本技術は、Arizona State UniversityのStuart Lindsay博士らが開発しているものである。2つの液槽の間を渡したカーボンナノチューブ(直径1~2 nm)の中に1本鎖DNAを通すと、イオン電流が発生し、その電流の変化により塩基配列が読める可能性があることが実証されている。詳細は、下記のScienceの論文などを参照してほしい。
・ Haitao Liu et al. "Translocation of Single-Stranded DNA Through Single-Walled Carbon Nanotubes" Science Vol. 327. no. 5961, pp. 64 - 67 (2010) ・ Arizona State Univ.のニュース |
“Graphene Nanogaps” 法
本技術は、California State University NorthridgeのHenk Postma博士らが開発しているものである。Grapheneとは、炭素がヘキサゴナルな網目構造で結合した1層の面である。2つの電極の間に、2枚のGrapheneをギャップ(gap)を空けて配置させ、そのギャップの間に1本鎖DNAを通すと、電流の変化により塩基配列が読める可能性があることが発表されている。詳細は、下記のNano Lettersの論文などを参照してほしい。
・ Henk W. Ch. Postma "Rapid Sequencing of Individual DNA Molecules in Graphene Nanogaps" Nano Lett., 10 (2), pp 420–425 (2010) ・ California State University NorthridgeのHenk Postma博士の公表資料 |
“Graphene Nanopore” 法
本技術は、University of PennsylvaniaのMarija Drndic博士らが開発しているものである。単層のGraphene面に小さなナノポアを開け、そのポアに1本鎖DNAを通すと、電流の変化により塩基配列が読める可能性があることが発表されている。詳細は、下記のNano Lettersの論文などを参照してほしい。
・ Marija Drndic博士のホームページ ・ Christopher A. Merchant "DNA translocation through graphene nanopores" Nano Letters, 10 (8), pp 2915-2921 (2010) また、Graphene Nanopore法は、オランダのKavli Institute of Nanoscience, Cees Dekker博士らも開発を進めている。彼らの方法については、下記公表資料を参照してほしい。 ・ Kavli Institute of Nanoscience, Cees Dekker博士の公表資料 |