Complete Genomicsは、次世代シーケンサー開発企業としては珍しく、開発したシーケンサーは販売せずに、自社のみに設置し、個人ゲノム 配列決定&解析の受託サービスに特化したベンチャー企業である。2010年11月にNASDAQに上場した後、今年の第1四半期は売上も伸び、順調に株価 が上がった。ところが、8月3日に第2四半期の業績を発表したところ、受注は順調に増えているにもかからわず、株価が暴落してしまった(6月の株価は$17で、今回$15から$7.6に下がった)。今回は、Complete Genomicsの次世代シーケンシング技術を紹介するとともに、株価暴落の背景について考察してみたい。
2010年からジナリスGOクラブで主に「次世代シーケンサー」に関する記事を提供してきました。その後、次世代シーケンシング技術も一般に普及する段階に入ったことから、2015年から後継シリーズとして 「バイオデジタル革命の夜明け」の記事を提供しています。
2011年8月23日火曜日
2011年8月9日火曜日
Pac Bio RSシーケンサーの優位性が大腸菌O104のゲノム解析で証明される
Pacific Biosciences (以下、PacBioと略す) は、今年4月27日に、1分子リアルタイムシーケンサーであるPacBio RSシーケンサーの正式発売を発表した。第2四半期はEarly Access Customersへのアップグレードを含めて、計16ユーザーに対してRSシーケンサーが出荷された。これまでは、生データレベルでの精度が低く、かつリード長も1,000 bpを越える程度であったが、最近精度やリード長も改善された新しいChemistry C2が開発された。また、そのChemistry C2を利用して、ドイツなどで感染が流行した腸管出血性大腸菌O104 (C227-11株) のゲノム配列を決定した論文が、7月27日付けのNew England J. of Medicineに発表された。Chemistry C2は第4四半期に発売される予定であるが、この論文で開示されたデータをもとに、PacBio RSシーケンサーとChemistry C2の性能を紹介したい。
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